値下げ問題で住民ら公社に損害賠償  県住宅供給公社の「横浜若葉台団地」の売れ残り住宅が大幅に値下げされた問題で、既に入居している同団地の住民は三十一日、値下げは公社の原価主義に違反し差額分の損害を被ったなどとして、県公社を相手に総額約十億六千万円の損害賠償を求める民事訴訟を横浜地裁に起こした。


住民らが公社に十億の損害賠償を求め提訴
   県住宅供給公社の「横浜若葉台団地」(横浜市旭区若葉台四丁目)の売れ残り住宅が大幅に値下げされた問題で、既に入居している同団地の住民は三十一日、値下げは公社の原価主義に違反し差額分の損害を被ったなどとして、県公社を相手に総額約十億六千万円の損害賠償を求める民事訴訟を横浜地裁に起こした。
   訴えたのは、値下げ前にマンションを購入した計九十五世帯の百四十六人。
訴状によると、原告は一九九五年から九七年にかけて、同団地に住宅を最多価格約五千七百万円で購入。当時、バブル崩壊で不動産価格は下落傾向にあったが、公社側は「(建設費などから算出する)原価主義を採用しているため値下げ販売はしない」としていた。
   しかし昨年七月、公社側は売れ残っていた住宅を平均約四三%(平均約二千五百万円)値下げして販売したため、購入者はそれぞれ値下げ価格との差額分の損害を被った、としている。
   「横浜若葉台弁護団」の斎藤則之団長は「価格維持のため購入者に五年以内の譲渡制限があるにもかかわらず、公社側が五年以内に値下げを行ったのは契約違反で、また著しい価格格差を回避する義務にも違反している」と主張している。
訴えに対し、県公社販売部は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。
   この問題では、県公社は昨年七月、「値下げしなければ早期の在庫解消は困難」として、最高四四・六%の値下げ販売を断行。購入者は「不当販売に抗議する住民の会」を結成し、差額分の補償を求めるなどしてきたが、公社側は「不動産市況の変化に伴う措置で、複数の不動産鑑定士の鑑定を基に市場価格を参考に値下げ率を決めた。価格変更や差額相当分の返還は行わない」などと説明していた。

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