2000/11/01
原告側意見書(第4回口頭弁論から)

平成一二年(ワ)第一一五七号 損害賠償請求

意   見   書

−被告の平成一二年一一月一日付準備書面について−      平成一二年一一月一日

 横浜地方裁判所

第五民事部合議係 御中

 

 一 同書面第一、一の1

原告から「原価主義」について述べるところは、文言上も極めて明瞭である。被告は「意味するところが理解できない」など晦渋なコメントをするに先立ち、原告らの主張につき認否をし、その上で異論があればそれを開陳するのが筋である。

 

 二 同書面第一、一の2

被告に譲受人を実質的に公平に扱うべき義務は、被告の設立目的と存立条件である高度の公共性に求められるのである。

 

 三 同書面第一、二の1について

被告は原告らが請求原因第三、二の1、(1)で主張した事実について、「大幅であるか否かは不知。その余は認める」と記載した答弁書(5ページ)を陳述し、原告らが「原価主義により決定された価格」で受給した事実を認めている。これに反する陳述は、自白の撤回が許されないのと同義で許されない。

 

 四 同書面第一、二の2

被告が「譲渡価格が原価からみて適正であること」をパンフレットに記載した事実を被告は、あたかもさしたる意味もない枕詞、けれどもなくてはならない飾りの如くその意義を低からしめているが、表示、それも書面による表示に伴う責任を重く受け止めるべきである。

また、右「一事」をもって価格の決定根拠を明らかにする必要があるとする原告ら」との記載部分は歪曲も甚だしい。原告らは被告提出の資料から価格決定の異常性を合理的に推認し得ることから、決定根拠を問うているのである。

前回、被告は原告らの平成一二年九月二〇日付準備書面について誠実に認否すると承諾した約束を履行しなければならない。

 

 五 同書面第二、三

施行規則第六条の法的性質論は、本訴請求の成否にかかわる限度で意味があるのであって、一般的抽象的議論をするのは法廷の仕事ではないことを想起すべきである。

 

 六 同書面第二の一

本件物件はなるほど「ユニット」で売買されている形式を採っている。しかし、譲渡契約書(乙2の2)を読めば譲渡価格は、土地価格と建物価格の合計で構成されていることは、消費税額を見るとき一見にして明白である(土地譲渡代金には消費税は課せられていなかったからである)。二つの価格を「分けた記載は無い」という主張はどこから導き出されるのか、被告提出の資料を被告の主張との関連で合理的に整序されたい。

 

 七 同書面第二の二

被告の譲渡価格の認定が異常であることは、極めて容易かつ、合理的に推認できる(乙2の2、乙10ないし13)ので、原告らはその説明を求めているのである。被告は原告らの平成一二年九月二〇日付準備書面について真面目に認否した上、議論を進められたい。被告の訴訟態度は不謹慎であり、原告らを愚弄するものである。


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