公社に宛てた意見・質問書とその回答

「住民の会」関係者が公社に宛てた手紙

公社の販売担当からの回答(返事)


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住民の会」関係者が公社に宛てた手紙

うっとうしい梅雨が明けて、暑い毎日でございますが、皆様暑さに負けずにお仕事に、お忙しい日々と思います。
・・・中略・・・
一人娘が結婚して、家探しを始めた時、一番公社の住宅を薦めました。後ケアも安心だし、何といっても安心して信用が出来るというのが、一番の大事だと、主人と話しました。
中古住宅から探し始め、なかなか気に入った所がなく、思い切って新築マンションを見始めた時に、若葉台の32棟の売り出しを知りました。
手が届かないと随分二人で迷って、それでも、思い切って、清水の舞台から飛び降りたつもりで、32棟の抽選に望みました。(私たちの、最初は大変でも、どうにかなって来たと言う言葉もあり踏切りました)

抽選当日、私だけ若夫婦についていきましたところ、公社の係りの方に、厳正な抽選が行なわれているか、立会人?になって下さいと頼まれ、お引き受けしました。

抽選が進み、無事に終わりまして、係りの方にご苦労様でしたと声をかけて頂き若夫婦がどうだったか聞かれましたので、駄目だった事をはなしその場を離れました。
娘達は、以外にあっさりと、私達には縁が無かったとまた探すといって、家に帰って行きました。その翌日か、翌々日だったと思います。
公社の方から電話を頂き、娘達が申し込んだ所は駄目だったけれど(多分6階かと)上のほうに、辞退者があって空きがあるという内容でした。
私は自分の耳を疑い、心躍らせて娘達に電話しました。
娘達は、抽選に落ちたのは、自分たちが其処に適さず、もっと向いている所がきっとあるというような考えのようで、とても冷静で、辞退者が多かった事とか、気になった事を、公社の方に何度か確かめた様でした。

私達の、「公社に限って問題はない、もし何かあっても納得の行くように考えて下さる」という言葉もあり、高い高い買い物をしました。

若葉台の娘たちの家に何度か行く事があり、安売りを始められたことを知りそれでも、きっと先に購入した者にも何かの保証があると、信じていましたのに先日、テレビを見て愕然としました。
娘たちは私に気を使い、あまり話しませんでしたので、初めて公社の話を聞き、私の心の中ので大切な信用とか大事なものが、壊れて行くのがとても悲しく...なんだか寂しく思われました。

安売りの中の若葉台住宅を購入された方が、この棟の方と友達になんかならないから、平気です。と言われたのを聞き、本当に情け無く、私が長い間、xxを離れられなかったのが結局、回りの方たちが良い方たちばかりで、私が一番大変な時期を皆さんに励まし助けてくれたから、やってこれたのです。

すでに居住して、運動をしている方たちも、何も同じ様に下げて欲しいと言っているのではないと思います。公社の誠意ある態度を是非ぜひお見せ下さい。
どうか宜しくお願い致します。
・・・中略・・・
人の上に立つ公社の方が、売ってしまえば住民同士何があっても関係ないというような態度は、絶対にお止め下さい。皆が楽しい日暮らしの出来る住宅にして下さる事を、心からお願い致します。還暦に近い私が、最近覚えたてのパソコンです。
お見苦しいかと思いますが止むに止まれず、気持ちを一生懸命書きました。
どうか、解答をお待ちしております。

                                  平成11年 7月27日


公社の販売担当からの回答(返事)

秋の雨と共に暑さも和らぎ、いつまでも永く暑かった今年の夏もやっと終焉を告げそうです。今、若葉台の販売事務所でこのお便りを書いておりますが、遠くのほうではまだ蝉が、行く夏を惜しんで鳴いています。
xx様より頂戴したお手紙を拝見いたしました。実施には前回の理事長あてお手紙も拝見しておりますので、2度お便りを頂戴した気がします。
今回は私あてのお手紙ですが、決裁を得て、公文書として回答いたしますと、やはり肩肘の張った、差し障りのない、在り来たりの文に終始せざるを得ず、結果として「お役所仕事」とご批判を受けることになります。そこで、今回は決裁を得ずに私の判断内において、私見をいっぱい含めてご返事させて頂きますので、はじめにおことわり申し上げておきます。

さて、若葉台の再販売に関するxx様のご心配は、2回のお便りから十分に伝わってまいりますが、抗議団体の主張と公社の姿勢には大きな隔たりがあり、解決はまだまだ先になりそうです。
公社の立場として私なりに物を申させていただくならば、今回の販売物件は3年も経過した代物で、世間では中古住宅の扱いなのです。この中古物件と同じ物件を新築で購入された方々が、中古物件の価格に抗議し、売り主に対し自分たちにその差額を補填しろと要求することは、どの様に考えても理屈に合わない行為で、市場原理に反します。
そして、再販売に対し公社が皆様と協議し模索した行為を、「自分たちに補填するための協議だった」と結論づけ、しかも「公社が一方的に補填を撤回し、協議をうち切った」と誇張することは理解に苦しむところです。

「値下販売阻止」を旗頭に息巻く方々と膝付け合わせ協議しても、論議は平行線、結果は火を見るより明らかで、徒に時間がすぎるだけです。そこで公社はやむを得ず、知事承認を得て再販売に着手しました。これを不服とした既住居者の一部が違法的な販売妨害活動に出ているのです。特に公社回答が抗議団体の主張にそぐわないために「誠意がない」と反論することも、本末転倒と言わざるを得ません。抗議団体への否定回答が、世間や若葉台全体の居住者に対して「公社の誠意ある回答」であることを、ほんの少しご理解いただけると有難いのです。

さて逆に既居住者として考えた場合、値下げは明らかに「おもしろくない」行為であることは誰の目にも明らかです。損をして高い買い物をしてしまったように思われますし、自分の財産が目減りしたことになるからです。
住宅を金銭担保の対象としたり、売買を考えなければ「終の棲家」として価値は同じですが、やはり損をした気持ちはかわりません。それでは、この気持ちを誰にぶつければよいのでしょうか。昔からあった「土地神話」この崩壊は国の政策だとするならば、国に代償を求めなければなりません。また、自分たちが選んだ人たちによって国政の指針が決められたなら、自分たちが反省し解決策を採らねばなりません。しかし時間がありません。そこで差し当たって公社が一番国に近い存在であるので攻撃の目標にしよう・・・・?
これが、本音ではないでしょうか。(私のいいかげんな推測)

さて、話はちょっとかわりますが、我が社新理事長は元副知事で、元来の職制なのか、とても住民を大事に考える御仁です。身内をほめることは、あまりよいたしなみではないと思いますが、長が自ら知恵を絞り、一つの事柄を住民の一人のことと考えず多くの方の気持ちになって事に当たる姿は魅力的で、判断も敏速、痛快です。前回のxx様の回答一つにしても、私たちが作成した回答案文を子細に検討し、自ら筆を執っての指示がありました。そんな方ですから若葉台問題についても、とても真摯で「相手を癒す気持ち」を大切に考えながら、理不尽なことに屈せず、盛んに会議を行い解決に向かって努力するよう毎日のように檄が飛んでおります。勿論、本人も夜遅くまで会議に参列しますし、その結果を見守っております。

話を若葉台問題に戻して、私が一番心配しているのは、再販抗議行動よりもxx様と同じで既居住者と新居住者の数において勝っておりますが、いずれは、既居住者が少数派となり管理組合規約等によって理不尽な行動は制約されることになるでしょう。その時が心配なのです。新居住者の中には今まで若葉台に住んでいて買い換えによって新たに今回の物件を購入された方々が多々おりますので、他の若葉台管理組合との連携が当然なされることが予想され、反対派は若葉台住民を相手に反発行動することになりかねません。新居住者いじめが大きければ大きいほど、そのしっぺ返し受ける打撃は大で、当然「不仲分子」として排除されてしまうでしょう。その様になれば住民間で火花を散らす争いに発展し、大問題になります。居住者同士の争いは、xx団地では無かったと思いますが、世間では時折団地内事件としてマスコミを賑わすことがあります。公社団地でも今まで何度かありました。

今、抗議団体の方々が新居住者の方々を卑下するような言動を耳にしますが、とても寂しい限りです。安い物件を購入した方々が生活が劣るがごとく罵ることは、人間として最低ではないでしょうか。また、正直者が「バカを見た」。公社に「騙された」。と暴露する方々も同じです。私は多くの子供たちと一緒に遊ぶことが好きで、若葉台の子供たちとは毎週1回武道をとおして交流を持っておりますが、この子供達が時々このようなことを口にします。「僕は腕立て伏せを10回やったのにxxちゃんは6回しかやらないよヨ!正直にやって損しちゃった」・・・さてさて、本当の正直者は「正直にやったことに対してバカを見た」とは思わないものなのでは、ないでしょうか、自分として、何らやましいこなく清廉潔白でありさえすれば、世俗的に損失を被っても、拘泥しない、これが本当の正直者だと思います。正直な行為を愛でるような人間になってもらいたいと、子供達にはいつも論しています。
xx様はいかがお考えでしょうか。当方の上司は、「正直者がバカを見ないようにいつも考えるのが公社だ」と申しております。私は決して正直者だと胸を張って威張れませんが、公社は概ね正直者だと確信しております。
皆様のために公社は最上の努力を惜しまず頑張りますのでご安心ください。
つらつらと、くだらぬ私見のお手紙となってしまいましたが悪しからず、寛大な気持ちでご容赦ください。なお、末筆となりましたが、xx様も十分お体をご自愛いただき、いつまでもお孫さんの良きお婆ちゃまでありますよう祈念して、筆を置かせていただきます。


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