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スポーツコラム 【39話.メジャートレーナーの権限 江川靖】

米大リーグ、シアトル・マリナーズへ移籍した佐々木主浩投手(31)の専属としてチームに帯同する江川靖トレーナー(41)が故障を持つメジャーの主力選手の間で引っ張りだことなっているようです。「メジャーのトレーナーは進歩している」と日本では良く言われます。が、江川氏は「技術的には日本のトレーナーも決して見劣りしない」と話す。実際、右肩に違和感を訴えるガルシア、首痛のマルチネスが、自主トレの練習終了後に必ず江川氏の治療を受けにくるそうだ。

メジャーでは電気治療が一般的。メジャー選手からも高い評価をもらい「マッサージ技術は日本のトレーナーの方が上ですね」と自信満々。だがメジャーと日本とでは、あきらかに違うものがある。それはトレーナーのもつ「権限」の違い。「メジャートレーナーの権限はある意味で監督よりも強いそうだ。これは日本とは比較にならない」と。メジャーの場合、トレーナーにはチームドクターと同様の権限が与えられ、故障した選手がいた場合「トレーナーが出場は無理」と判断すれば、チーム状況がどうあれ、監督は起用しない。
昨年17勝を挙げたガルシアに対し、江川氏が自主トレ中の「投球ストップ」をかけたところ、視察の首脳陣もすぐに了承した。この素早い対応には江川氏も驚いたといいます。さらに佐々木投手に異常が生じた場合には、すぐに「ストップをかけろ」と指示されている。そんな日米差に「日本のトレーナーは球団、首脳陣寄りに考えてしまうところがある。だから、いかに故障を和らげ、出場させられるかの発想になるのかな」と振り返る。
グリフィン・チーフトレーナーは「われわれは故障防止、リハビリに力を注ぐ。無理させ、故障を長引かせることはない。そんなことをすれば結果的にチームにマイナスになるからね」と話す。
主力であれば首脳陣は多少の無理は承知でも起用したがるのは当たり前。昨年8月に佐々木投手が無理した末に右ひじを手術したが、メジャー流ならば本人が痛みを訴えた時点で登板ストップがかかっただろう。と、江川氏は「日本のトレーナーも首脳陣にハッキリNOと言える立場にならないといけない」と切実に話しているそうです。

2月24日情報
佐々木投手は、時間、投球数に制限があるメジャー流の投球練習に「なかなか調整が難しいですね。マイペースで調整しても無意識のうちに全体の流れを気にしてしまう。」とペースを乱しかけていた。だが、この日練習前、以前から佐々木投手の状態を知る江川トレーナーからの「右足の軸足が折れ曲がりすぎ」とのアドバイスが効いたようで、佐々木投手はビデオでチェックし「左足を上げたとき、少し止める形にしたんです」とフォームを修正。この日55球を投げ「今日はいい感じになりました。納得できる形に近づいた」と感触を得たようです。
メジャーでもトレーナーは裏方の存在。でもチームの浮沈のカギを握っています。メジャートレーナーとして存分に実力を発揮してほしいと思います。  2000/2/27




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