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スポーツコラム 【65話.個とチームの中で ワン・フォー・オール】

「個性の尊重」、あるいは「個の自立」という考え方が大きな声となってきている。それは束縛から解放された「自由」につながる概念でもあり、そのこと自体、素晴らしいことです。
だが、例えぱ成人式での若者らの無軌道ぷりを目の当たりにしたとき、また、暴走族がテレビの取材に「迷惑をかけることが楽しい」と平気でしゃべっているのを聞いたとき、憤慨するとともに、むなしさを感じてしまう。「個性」は独善となり、「自由」はわがまま勝手になってしまっている。

どんな世の中になっても、人間は一人では生きていけない。人々が支え合ってこの社会は成り立っている。磨き抜かれた「個」のぷつかり合い、競い合いがスポーツの感動の原点だが、スポーツの世界でも一人では何もできないのです。陸上、水泳などリレーを除けは個人種目である競技であってもそう。シドニー五輸の女子マラソンで金メダルに輝いた高橋尚子選手は、こう言った。「監督がいて、コーチがいて、栄養士さんがいて優勝できた。私を含めてそれぞれが、それぞれベストを尽くした結果です」。五輸の水泳代表の選考をめぐって、干葉すず選手の一連の言動が注目された。結果は別として、選考経過の透明化が進んだ功績は大きなものがあった、しかし、県内の有力校の指導者は、干葉選手の「こんな大会」というちょっとした発言を疑問視した。どんな大会であれ、清掃し、コースのロープを張り、タイムを測るなどさまざまな人々が支えている。
「奉仕の心」「感謝の気持ち」を忘れてはならないと指摘したのです。

野球やサッカーのように集団で競い合う競技はいうまでもないだろう。高校野球史上初の年間四冠に輝いた横浜高の名伯楽・渡辺元智監督は、松坂大輔投手(現西部)ら当時のナインは入学時から実力が抜きんでた個性派ぞろいだったが、最も苦心したのはチームワークづくりだったと振り返っている。
松坂投手の優勝の帽子には「ワン・フォー・オール」の文字が書き込まれていた。一人はみんなのためにというチームスピリットだ。いかに卓越した技量の持ち主であっても、チームメートの協力がなくては勝てないし、第一、一人ではゲームさえできないのだ。それぞれの輝く個性が存分に発揮できる社会。その到来を強く願う。一方で、個の違いを互いに認めつつ他者への優しさ、思いやりという共通軸を当たり前に持つ社会の実現を心から願う。
個を磨きつつ共存共生する社会。スポーツを愛する心は、健康でありたいという自然な欲求です。肉体の健康、精神の健やかさ、これもまた人々の支えがなくては成り立たない。英語で訳すと「health」で、繁栄という意味もある。人間は、地球というでっかいグラウンドで、運命共同体のチームを組んでいる。
私の愛読紙(神奈川新聞より)の中から、文面はWata流に多少編集しました。2001/03/20




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